ディーゼルの実力

モータースポーツでも大活躍

2009年のル・マン24時間耐久レースにおいて、ディーゼルエンジンを搭載したレーシングマシン、プジョー908HDi FAPが総合1位と2位を獲得、同じくディーゼルエンジンを搭載したアウディR15TDIがが3位に入り、ディーゼル・レーシングマシンが表彰台を独占いたしました。これで、同レースにおいてディーゼル・レーシングマシンは2006年から4年連続で優勝しており、その実力を証明しています。

モータースポーツの分野におけるディーゼルの活躍は目覚しく、ツーリングカーレースの最高峰、WTCC(世界カーツーリング選手権)においては、フォルクスワーゲングループのセアト社がディーゼル・レーシングマシンLEON TDIにて2008年の年間チャンピオンを獲得。また、世界一過酷なラリーとして知られる、ダカール・ラリーでは、2009年、フォルクスワーゲンのディーゼル・レーシングマシン、レース・トゥアレゲが総合優勝を飾りました。

Interview about Le Mans

アウディ、プジョーのディーゼルエンジンを共同開発しているボッシュ社。モータースポーツのディレクターを担当している、S.ベーヘンスさんにレースに使用しているディーゼルエンジンについて同社インタビューより。

●なぜアウディはル・マンにエンジンを投入したのですか?
アウディは2006年のル・マンからディーゼルエンジンでの参戦を始めました。 アウディの考え方として、ル・マンでの優勝はセールスに直結するので、戦略的に、ディーゼルのレーシングカーを投入し優勝させることが重要と位置づけ、一方で、ディーゼルの特長である、低燃費、耐久性、パワーをル・マンで証明したかったのです。
●アウディとプジョーのディーゼルシステムで異なる部分は?
アウディとプジョーのディーゼルシステムの原理は変わりませんが、個別の方向性 が違うため、高圧ポンプ、噴射圧などディティールすべてが違います。そしてシリンダーの数も異なります。我々はエンジン自体を開発しているわけではありませんが、レーシングチームからの要請を受けお客様と一緒にエンジンを作ります。
●ル・マンでの勝敗のポイントは?
24時間レースと言う過酷なレースの中で、いかにベストな状態を保てるかどうかが勝敗のカギを握ります。チームを表彰台に導くために、我々の技術ノウハウは必要不可欠なものなのです。今後もル・マンにおけるディーゼルの活躍に期待したいですね。